皮膚に刺さった異物
異物と聞くと多くの方は「変な物を食べてしまった」ということを連想するのではないでしょうか。
今回は皮膚に異物が刺さってしまい、手術で摘出した子をご紹介します。
シェルティーの男の子、2歳です。
胸のあたりに何か刺さっているとのことで来院されました。
来院時に前胸部皮膚を貫く5cm程度の木片が確認されました。
それ以外には明らかな外傷等は認めませんでした。
が、皮膚に刺さっている木片の近くを触診すると、皮膚の下に明らかに異物が触知されました。
胸部レントゲンを撮影し、肺など胸腔内臓器に損傷がないことを確認しました。
この際、異物が一緒に写ってくれたらよかったのですが、確認はできませんでした。
最終的には触診で3つ確認し、合わせて4つの木片が確認できました。
全身麻酔をかけて、即日摘出手術を行いました。
木片の1つは筋肉にまで到達していました。
木片が千切れたりして身体に残らないように、慎重に摘出していきました。
摘出後は滅菌生理食塩水で十分に術創を洗浄しました。
手術は無事に終了し、その日のうちに退院してくれています。
何度か通院をしてもらい、手術から2週間で抜糸をしました。
傷口の感染などもなく、順調に治ってくれました。
今回のケースでは木片が刺さった明らかな原因は不明でしたが、何となく思い当たる場所はあったとのことでした。
4本も異物が刺さり、1本は筋肉にまで到達していたにもかかわらず、このシェルティーさんは痛がることがなかったようです。
診察の時も全く痛がる様子はなかったので、驚きました。
今回はレアなケースではありますが、痛くなかったのは本人にとっては幸いだったかもしれません。
愛犬・愛猫の体を触った時に、おかしいかな?と思うことがあれば、お気軽にご相談ください。
副院長:藤田